日本の武士道を表す7つの言葉 「礼」(3/6)
武士道 礼
新渡戸稲造は、武士道を7つの言葉で表しました。
義、勇、仁、礼、誠、名誉、忠義です。
ここでは、「礼」についてです。
「礼」は、「礼儀」の単語にも使われているように、道徳的な模範の表れを意味すると言えます。
人間関係や社会生活の秩序を維持するために人が守るべき行動において、礼儀はとても大切です。
英語ではマナーですね。
喜怒哀楽を無遠慮に表に出ししまうのは、愚かなことだと言われます。
小学校の授業参観で残念だったこと
礼に始まり、礼に終わる。
日本は昔から礼儀をとても大切にしてきました。
しかし、現在の日本ではこの礼儀が失われつつあるように感じます。
子供の小学校に授業参観に行ったのですが、授業を受ける子供たちの姿勢が残念に感じました。
授業中に立ってうろついたり、おしゃべりしたり、カタカタと音を立てたり・・・。
これが普通なのだろうか?
私が小学生のときは厳しく注意されたものです。
また、子供たちの姿勢を残念に思った以上に危機感を感じさせるのが、教師のあり方でした。
注意すべき立場の教師が何も注意しない、つまり子供たちは姿勢が悪いことを何とも思っていないかもしれません。
モンスターペアレンツなどと、保護者から難癖つけられることやクレームを教師は恐れていると聞いたことがありますが、教師にはそれを跳ね返す強さを持ってもらいたいものです。
学校で教えるべきは、学問だけではないはずです。
私は家に帰った後、子供に「授業は姿勢正しく受けないといけない」と注意しました。
学校教師の方は、もっと厳しく接してもいいと思います。
褒めて伸ばす、一生懸命頑張る、楽しく過ごす、そして厳しく躾けても欲しいです。
(3)礼
「礼」とは、相手を思いやる心が外へ表れた姿だそうです。
武士はさまざまな礼儀作法を身につけなければなりませんでした。細かな礼まで、学びました。
礼儀作法を守ることは、とてもきゅうくつなことです。しかし、これらを、心をもって行くことで、武士の品格を高めたのだそうです。
小学校でも作法を厳しく教えられるときがありますね。
例えば、卒業式です。
素早く起立。おじぎは三十度。ゆったりと歩く。背筋をのばして座る。
皆さん、大変な思いをしたことを覚えていませんか。
武士はもっと大変でした。
なぜなら、卒業式という特別な時だけではなく、日常生活、いつでも正義作法を守らなければならなかったからです。
あらゆる作法を身につけると、どんな場でも自信を持ってふるまうことができるようになります。それは、かっこいい、りりしい姿ではないでしょうか。
わたしは、礼儀作法をきびしくしつけられてきませんでした。
寒ければ、ポケットに手を入れて猫背で歩いてしまいます。腰かけていても疲れればすぐに姿勢がくずれます。口の中に食物が入ったまま会話をしたりすることもあるくらいです。食事のマナーも満足に知らなくて、改まった場では、これでいいのかなと、よく不安になります。
この年になって、きびしくしつけられなかったことを残念に思います。
わたしは、これからの学校教育では、もっと、礼儀作法を学ぶ時間を多く取り入れるべきだと思います。基本さえしっかり学べば、いろいろな場面で応用できるようになるのではないでしょうか。
明治4年に、岩倉使節団という日本の代表者が欧米の各地を回りました。
外国から珍しいお客さんがやってくるということで、それぞれの国で興味深く迎え入れられました。彼らは、どこの国でも高い評判を受けました。その主な理由が礼儀正しさです。
サムライの精神も持った彼らは、凛とした姿勢、礼儀正しいふるまいをくずしませんでした。そんな気高い姿に、尊敬さえするようになったのです。
凛とした姿が尊敬されるのは、いつの時代でも、どんな所でも同じではないでしょうか。
これからいろいろな国の人とおつきあいする上で、現代の私たちも身につけておきたいものですね。
引用 奇跡の国ニッポン