自動車用ターボチャージャーは三菱重工とIHIで世界半分近くを寡占している!

2015年現在、自動車エンジンのターボチャージャー需要は年々高まっています。

環境に優しいディーゼル車がヨーロッパで大人気となっていますが、ディーゼルエンジンにはターボチャージャーが不可欠です。

軽油を燃料とするディーゼルエンジンは、ターボチャージャーで圧縮された空気に燃料を噴射して燃焼させることから、ターボチャージャーの性能がエンジンパワーを左右します。車の燃費や性能を左右する重要なパーツなのです。

高温に耐える素材、加工後術、流体力学、軽量化、これらの技術を高いレベルで融合させることで、高性能なターボチャージャーを作ることができます。日本の技術は、どれも世界トップクラスなのです!

大東亜戦争の時、日本はターボチャージャーの小型化に苦労した過去がありましたが、現在は世界トップクラスの性能になっているのです。

 

 

三菱重工とIHI、ターボ事業が大繁忙の理由

 三菱重工業とIHIといえば、発電所用設備や産業機械、航空機関連など重厚長大分野を主力とする重工メーカー大手。その2社の“ある技術”が世界中の自動車メーカーから熱い視線を集めている。自動車のエンジンに搭載される「ターボチャージャー(過給機)」だ。

【グラフ】世界のターボチャージャー市場はこうなっている

 これは、大量の空気を強制的に送り込んでエンジンの出力(パワー)を増大させる装置。エンジンは空気が多いほど、より多くの燃料を燃焼させることができるため、ターボを装着すると出力が増す。かつてはスポーツ車のための特殊な装置だったが、近年では自動車の燃費改善のための重要なツールと位置付けられ、需要が急速に伸びている。

 日本の重工2社はその世界大手メーカーで、両社の関連事業は右肩上がりで成長。IHIの2014年度の販売台数は591万台と前年度比で7%増え、売上高は1680億円と1割以上増える見込みだ。三菱重工も同17%増の630万台へと拡大。同社の事業売上高は2013年度に初めて1000億円の大台を突破し、2014年度は一気に1500億円前後にまで伸びる見通しだ。

■ ガソリン車への搭載が広がる

 もともと2社は船舶用などの大型エンジン・ターボを長く手掛けてきた実績があり、その技術力を生かして、サイズの小さな自動車用ターボにも進出。IHIは独フォルクスワーゲン(VW)や独ダイムラー、トヨタ自動車やいすゞなどの日系各社、三菱重工は独BMWや仏PSAプジョー・シトロエン、VWなどが大口の納入先だ。

 自動車用ターボの世界需要は過去10年間で倍増し、すでに年間3000万台超、金額にして7000億円規模の市場になった。その過半を占める最大市場が欧州だ。

 環境規制が厳しい欧州では、2000年代に入って、燃費のいいディーゼルエンジン車が急速に普及。ただ、ディーゼルエンジンは同じ排気量のガソリンエンジンよりもパワーが出にくいため、それを増強するターボの搭載が常識になった。

 そして、ここにきて需要が急拡大しているのが、ガソリン車用だ。日本ではハイブリッド車ばかりが注目されがちだが、海外では燃費改善策として、ガソリンエンジンのダウンサイジング(排気量を下げて小型・軽量化すること)とターボ装着の組み合わせが大きなトレンドになっている。単にエンジンを小さくするだけでは出力も落ちる。そこで、ターボの装着が相次いでいるわけだ。

 ガソリン車エンジンのダウンサイジングで先頭を走るのが、VWやBMWをはじめとする欧州自動車メーカー。そのお膝元の欧州では、ターボ搭載ガソリン車の台数がすでに年間500万台を突破した。

 同様の自動車燃費規制は欧州以外の地域でも課せられているため、今後は米国や中国でもターボ搭載ガソリン車の比率上昇が確実視される。「2020年までに自動車ターボの年間需要は5000万台を超える」(IHIの古川弘執行役員・車両過給機セクター長)とも予想されている。

■ 世界市場を日米4社が寡占

 こうした需要の拡大は、日本の重工2社にとって強力な追い風だ。

 自動車用ターボは、米ボルグワーナーと米ハネウェル、三菱重工、IHIの4社で市場の9割以上を寡占。以前は米系2社で6割以上のシェアを占めていたが、日系2社が徐々に勢力を増し、現在は4社ともシェア2割台でほぼ拮抗している。

 メーカーが限られるのは、高度な設計・生産技術とさまざまなノウハウが要求されるからだ。ターボは、排気ガスで小さな羽根車(タービン)を回し、排気ガスのエネルギーを軸の回転力に変換。これによって、軸の反対側に装着されたコンプレッサーが高速で回転し、外から取り込んだ空気を圧縮してエンジンのシリンダー内に送り込む。

 排気ガスの当たる部分は温度が1000度近いうえ、タービン・コンプレサーの回転数は1分間に20万を超す。したがって、高い耐久性や精度、騒音抑制技術などが求められ、技術的な参入障壁は高い。市場の成長性に目をつけた自動車部品世界大手の独ボッシュ、独コンチネンタルが近年、相次ぎビジネス参入したが、現時点ではまだ日米4強を脅かす存在にはなっていない。

 ガソリン車への搭載で需要が増え、日系2社のターボ事業は当面、右肩上がりの成長が続く。「ターボはエンジンとセットで開発が進むため、サプライヤーに選定されてから実際の納入開始まで3年前後かかる」(三菱重工の梶野武・ターボSBU長)。逆にいえば、確定済みの商談がどれだけあるかで、2~3年先の生産・販売台数が見通せる事業だ。

■ 供給拡大へ設備増強を急ぐ

 三菱重工では「北米や中国市場向けを中心に、大きなプロジェクトが複数決まっている」(梶野SBU長)という。2014年度の販売台数見込み630万台に対し、2015年度は800万台、2016年度には年間1000万台の大台に乗る見込み。

 プロジェクトの具体的な中身は非開示だが、VWなど欧州自動車メーカーのほか、北米や中国用に複数車種でターボ搭載を予定する米大手自動車メーカーからの受注が相当量に上る模様だ。

 そうした供給拡大に向けた設備拡張も進めており、基幹部品となるカートリッジ(タービン・軸・コンプレッサーの結合モジュール品)の生産を担うタイ工場を段階的に増強。合わせて、米国のカーエアコン工場内に初のターボ最終組立ラインを新設し、2015年度前半から本格量産を開始する。中国でも現地で3つめとなる最終組立工場の立ち上げを準備中で、「早期に世界シェアで首位に立つ」(梶野SBU長)と鼻息が荒い。

 IHIも今後の成長の牽引役は北米、中国市場向け。アウディやVW、ダイムラーなど欧州自動車メーカーを中心に複数のプロジェクトがあり、2016年度にはターボ事業の売上高が2000億円前後にまで増える見込み。2014~16年度の3カ年で増産投資を中心に総額250億円以上を投じる計画で、欧州や中国、北米などの能力増強に加え、国内の研究開発設備や基幹部品の生産設備を大幅に増強する計画だ。

 2014年度の全社売上高に占めるターボ事業の構成比は、IHIが12%弱、三菱重工では4%弱。会社全体の規模からするとまだ小さいながら、「これだけの成長分野はそうあるものではない。今後が非常に楽しみな事業だ」と、三菱重工の野島龍彦CFOは語る。重厚長大分野が主力の重工2社にとって、小型量産品の自動車ターボは異質な事業だが、その成長性ゆえに大きな期待が集まる。

渡辺 清治

引用 http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150226-00061647-toyo-bus_all&p=1

 


 

 

 

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